[雑記][Kaiser]休日にPDA SmartPhoneをちょっと考えてみる

   
   
テト正月以降、休日出勤などで土曜休みがなかったので、休日は代休。

さて日本のEMONSTER(Kaiser)は今日からホットモックが店頭に並ぶみたいですね。
発表の後、一部のマスコミで勘違い報道(日本国内でもSIMロックフリー)があったみたいですが、W-CDMAの周波数は1700だけですから、国内はEMOBILEのみでしょう。
GSM(海外の携帯通信方式)はフリーのままにしておいて欲しいなぁ。(イーモバイルのSIMをいれたままでの単なる国際ローミングではなくて)。

このHTC Kaiserというハードウェアが日本で発売されることを、非常に感慨深く感じています。

私にとって初めてのPDA SmartPhoneは、4年前のiPAQ h6365でした。
当時、日本にはまだ存在しなかったPDA SmartPhone。
これ1台で従来のPDA機能と電話、ネット通信が完結してしまうことに狂喜乱舞したものです。
そのころの日本は、AirH通信カードをつかったり、PDAとケータイをケーブル接続させなければなりませんでした。
日本ではW-Zero3の登場までこの方法が続きました。
海外ではWindows Mobile PDA SmartPhoneの登場前はやはりPDAと携帯を接続する方法でしたが、すでにどちらもBluetoothを搭載していたために、Wirelessでの通信が可能でした。
しかしその後すぐに、iPAQ、O2(HTCのODM)など、日本を尻目に各社から続々とPDA SmartPhoneが登場しました。
palmもTreo600、650とPDA SmartPhoneを登場させていました。
それでも日本のマスコミは「日本はケータイ先進国」とはやし立てていたものです。

海外のPDA SmartPhoneはここ5年間、どんどん進化していきました。
進化の過程を目の当たりに出来たのは幸せであり、とても楽しかったです。
HTC Kaiserはその進化の中で、個人的な評価ですが、かなり満足しています。

そして日本では、ついにKaiserの登場です。
進化の過程がなくいきなりKaiserが登場しました。

日本は世界的に見ても経済先進国です。
車や家電など各種生活用品からインターネットをはじめ生活文化、生活スタイルに至るまで、その「進化の過程」という道筋をたどってきました。
しかしPDA SmartPhoneだけは、その進化の過程がなく、突然、「進化したもの」が飛び込んできました。
東南アジアなど発展途上国の各種生活用品や生活スタイルは、やはり先進国の進化から取り残されて、ある日突然ドカンと入ってきました。
(固定電話の普及率が50%に満たないのに、携帯電話の普及率は90%以上などというのもこの例えの1つでしょう)。
PDA SmartPhoneにおいては、日本はこれと同じことが起こっているような気がします。

さて、Kaiserですが、私にとってこの6年間の中では一番のお気に入りです。
最近はTreo750vより気に入り初めています。
というのはTreo750vのキータッチが少々渋くなってきているのと、やはりWiFiが搭載されていないためにWiFiカードを挿入するのが面倒だからです。

しかしこんなKaiserでも弱点はまだまだあります。
まずはバッテリーの持ちが短すぎます。
致命的に短すぎます。
日本のEMONSTERでも改良はされていないと思われるので、日本のユーザからもまずはバッテリーに対する不満がでるのではないでしょうか?
またiPhoneなど画期的なUIが登場した今、Kaiserの画面タッチUIは時代遅れを否めません。
搭載されているデジカメも日本のケータイのそれと比べれば不満です。
フラッシュもありません。
液晶もQVGAです。
GPSPDA SmartPhoneに搭載されている中ではかなり性能が向上しましたが、GPS単体機に比べれば性能は落ちます。
重量もあります。

Kaiserは、このようにまだまだ進化の過程の中にある機種です。
私はここ6年の日本のケータイの独自の進化をまったく知りません。
ワンセグもオサイフも日本のケータイGPSも知りません。
そのため、海外のPDA SmartPhoneと日本のケータイを比較することもできません。

日本の方々が、EMONSTERを手にしたときに、どのような感想やどのような使い方をするのか、非常に興味があります。
W-Zero3シリーズやEMONSTERを皮切りに、日本の厳しい目を持ったユーザーがどのように評価し、それを製造メーカーや通信キャリアがどのように受け止めていくのか、非常に興味があります。
PDA SmartPhoneは、はっきりいって今までは日本はマーケティングの対象ではありませんでした。「蚊帳の外」でした。
しかし、今後は「日本」という厳しい目を持った「マーケット」が登場します。

私はPDA SmartPhoneの進化に「日本のマーケット」に大いに期待したいと思っています。

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siam_breeze@モバイル/HTC Kaiser