最近の経済動向

ベトナム政府は拡大した貿易赤字、超インフレ是正のために、5月6日の国会でズン首相が、今年の経済成長率目標を8.5%から7%に引き下げることを述べています。
あわせて、ズン首相は、超インフレに対して、政府の経済政策の運営の失策を一部認めています。
これは5月初めにIMFベトナムを訪問し、「ミニ・アジア通貨危機に近い状態」「ベトナム政府へインフレ是正と経済政策の見直しを勧告」したことを受けての発言と思われます。

ベトナム企業が本業以外の不動産投資、金融投資をかなり行っているために(一部にはすでに不良債権化)、首相自らが「7割は本業で稼ぐこと」という指導もしています。

また、今月、S&Pはソブリン格付けを「Stable」から「Negative」に変更しています。

そしてベトナム中銀は、この超インフレ抑制のために、ドン建ての預金金利上限(現在12%)の撤廃も発表し、市中の銀行は預金金利引上げを実施しています。
3月ごろから市場でドル不足となり、銀行のドル売り渋りもはじまっています。
中銀は、外貨借入制限(企業の外貨借入を、輸入決済代金、ベトナム国外への投資に制限)も行っています。

一時期過熱していたベトナム株式市場ですが、このところほとんど取引がない状態が続いています。今年に入って、ベトナム株価指数は半分以下に下落しています。


以上は、私が個人的に捉えたベトナム経済の断面であり、「点」としての情報・状況に過ぎません。「線」や「面」で捉えておりませんので、あくまでも参考情報として理解してください。

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