タイの新首相決定



ついに、タイの新首相が決定しました。
今度の首相はこの写真のおっさん。
タクシン前首相派の国民力党のサマック・スントラウェート党首(72)です。
これで、クーデータ後の正式政権が発足したことになります。

先日の総選挙の後、国民の力党は、旧タクシン会派の他の政党と連立を表明し過半数議席を確保していました。


クーデータ−はそもそも「反タクシン首相」で起こり、その後、暫定政権はタクシンおよびタクシン親族や一派の不正や汚職疑惑の調査を行っていますが、これで調査は打ち切りでしょうね。

実際にサマック氏は昨年の選挙前に
「自分が首相に就任した場合は、タクシンに対する資産調査委員会の汚職疑惑調査を打ち切らせたい」
と表明もしていますし、関係筋によると、
「サマック氏はタクシン氏の政界復帰を可能にするため、憲法を改正する意向を表明済み。」
との報道もあります。

このサッマク氏、実は、過去にも政界に何回も登場しています。
やはり有名なのは、76年10月、サマック氏は内相時代に、「血の水曜日事件」(学生集会に治安部隊が突入して46人の死者を出しました)の責任者として「極右政治家」と銘されています。
都知事時代には中傷発言で有罪判決を受たり、不正疑惑も取りざたされています。
過去には「政治には賄賂も権力もつきもの」という発言もしています。

タイプとしては、タクシンとも違うし、民主党のアピッシト党首とも当然違うし、チューウット氏 :) とも違います。
そのためか、バンコクなどの都市部の中間層らからはほとんど人気がないようです。
私個人的な意見ですが「いわゆる、タイの古いタイプの政治家」と感じています。

タクシン派ではあるのですが、すでに関係者からは、
「サマック氏はクーデーター直前、タクシン氏の擁護に回ったが、本来2人はそりが合わない。どこまでタクシン氏の思惑通りに動くかは疑問で、亀裂が生まれる可能性もある」
と指摘、新政権は短命に終わるとの予測も出ているようです。

さて、今後、タイの政治はどうなっていくのでしょうか?
タイ経済も政治に大きく左右されていきますし。