ある外資系企業と地元公安などの関係

あくまでも「お話」としてして読んでください。

ベトナムにある外資系食品企業が、その製造に際して発生する化学物質や環境汚染物質をそのまま垂れ流していた。
この企業は地元公安と人民委員会を丸め込んで(賄賂)、環境対策は何もしなかった。
土壌や川などは汚染しまくった。
地元住民からもどうにかしてほしいと公安や人民委員会に訴えたが、賄賂をたんまりと要求し懐が暖かい公安や人民委員会は住民たちを押さえつけた。

公安と人民委員会の役人達の家は豪邸となり、そして新車がずらりと並んだ。
役人達は仕事をしなくなり遊びまわった。
企業と公安、人民委員会の密月は10年近く続いた。

しかし、ある日突然、「政府」がやってきた。
「政府」がやってくれば、当然、地元の公安も人民委員会も「政府」の言うことに従わなくてはならない。
それどころか、「密月」のことなんか無かったことになってしまう。
公安や人民委員会がこの企業の悪行を「政府」にベラベラと話す。
しかも「自分達は長年、この企業の悪行の改善を、地元住民ともどもこの企業に訴えてきたが、企業は全く聞く耳を持たなかった」と、自分達の立場を「善者」に仕立ててしまう。
もちろん、公安や人民委員会は「政府」の役人を接待漬けにする。

企業は何も反論できない。
環境汚染をしていたのは事実だし、その事実が目の前に広がっているのだから。
「政府」を丸め込むだけの資金力ももうない。

この外資系企業はベトナムの法律に基づいて訴えられ、撤退もできない状況に陥った。

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