ハノイでの出来事 〜医療の現場から

「医療の現場」などという大げさなものではありませんが(笑)。
首の痛みが一週間以上続いていたので、本日、ハノイのSOSクリニックへ行ってきました。
ハノイのSOSクリニックは日本人をはじめ、在ハノイの外国人がよくお世話になる病院です。

そのときの出来事です。

医者(西洋人)の診察が終わり、医者から薬の処方箋とその説明を受けました。
薬の一つは「8時間ごとに飲む。他の薬も併用しているのでこの薬は必ず最低8時間はあけて飲む」との説明でした。
また「痛みが引いたら飲むのをやめること」とも。

さて、医者と一緒にその処方箋を持って、同じクリニックにある薬の窓口へ行きました。
医者は薬の担当の若い女性に、私に説明したことと同じことを説明し、処方箋を渡しました。

しばらくすると、女性が私を呼んで、薬を渡し、飲み方の説明をしました。
その際にこの女性は先ほどの薬について、
4時間ごとに飲むこと。そしてすべてを飲み続けること
と説明を始めました。
また、薬に貼った飲用方法のシールにも彼女は「4時間ごと」と記入しました。

私は彼女に対して、
「医者は8時間ごとに飲むように言っていたし、この処方箋にもそのように書かれている」
「あなたが4時間ごとに飲みなさいと言ったことは、勘違いではないですか?」
と言ったところ、彼女からとんでもない言葉が出てきました。

女性「普通は4時間ごとに飲みます」「普通は全部飲みます」
私 「医者は最低8時間ごとに飲めと言っているし、全部飲めとは言っていません」
女性「普通はそんなことありません」
私 「普通がどうかなどは関係ないです。ここに医者の処方箋があり、その旨が書かれています」
女性「だったら4時間〜8時間ごとに飲めばいい」
私 「あなたは医者ですか?。あなたが飲用方法を決めることなのですか?」
女性「・・・」
私 「これはあなたのミスではないのか?」
女性「これは4時間ごとに飲む薬です!」
私 「私は医者の診察を受けている。あなたの診察は受けていない。しかもあなたは医者ではなく、私の症状に対して何の決定権もない」
女性「私は何も間違っていない」
私 「あなたは間違っていると思う」
女性「私は間違っていない」
私 「では、私が今から医者を呼んでくる。」
私 「あなたには薬の飲み方を決定する権利はあるのか?。それがあなたの業務なのか?。あなたは診察に対する権利や、薬の飲み方についての決定権を持っているのか?」
女性「○X▲@*&$(%(ベトナム語で逆切れしている雰囲気)」
私 「再度聞くが、これはあなたの間違いではないのか?」
女性「私は間違っていない!(キーー!!!)」
私 「わかった。ここに医者が書いた処方箋が証拠としてあるわけだが、あなたはこの指示に従わないというのがあなたの意志であるのか?」
女性「・・・・」
私 「では今から医者とこのクリニックの責任者を呼んでくる。そしてあなたに決定権があるかないかを一緒に確認しよう」
女性「○X▲@*&$(%(ベトナム語で逆切れしている雰囲気)」
私 「再度聞くが、もしこれがあなたのミスであれば、薬の飲用方法のシールを書き直して、正しい飲用方法を私に伝えるべきだ。そうすれば私は医者も呼んでこない」
私 「そして、もし間違いを認めるのであれば、そのことをまずは言うべきだ。」
(上記ヤリトリがぎこちなく感じると思いますが、やりとりが英語で行われ、それを出来るだけ忠実に?直訳しているためです)

結局、この若い女性は自分のミスを認めることもなく、I'm
sorryもなく、ただただ悔しそうに「4時間ごとに飲む」という薬に貼ったシールを剥がし、「8時間ごとに飲む」と記入した新しいシールを貼りなおしました。
そして薬を袋に入れるわけでもなく、私の方にポイっと投げてよこしました。
最後に私がニッコリと満面の笑みで「薬を入れる袋をいつもどおり下さい」と優しくお願いしました。

私の後ろにいたファラン(西洋人)のおばちゃんの患者さんが「医者呼べばいいのに。ベトナム人なんて信用できないんだから」と。

ハノイで先進国並みの医療を受けようなんて期待は当初から抱いていません。
「言われたことを、その通りにやろうよ」という簡単なことが出来てない人々の一例です。
「医療の現場で働いている」「薬は飲用を間違えれば毒にもなる」という意識や職業責任がやはりとても低い人々もいる、というのがハノイの現状です。
(すべての医療関係者がこのようなケースではありません。ちゃんとしているベトナム人の医者や医療関係者もいます)

また、この女性が「特殊」なわけではありません。
このような事は、ハノイの人々の最低公約数的に見られる気質です。
会社でもスタッフたちが毎回見せてくれる「顔」です。
「根拠ない勝手な決定」をし、根拠のない自信」を抱き、また、「自分の間違ったことに対して、ごめんなさいが言えない人々」が本当に多いです。

今回のやりとり、まあ、私がちょっと意地悪っぽく理詰めで追い詰めている部分がありますが、これはすでにハノイの人々の気質で辛酸を舐めているから、また、ハノイ人のこういう場合の気質を知っているから、やってしまっていることですね。
冒頭に「勘違いではないですか?」と優しくこちらから確認しているときに、それを認めずに自分勝手な言い訳を始めるベトナム人
このときに「自分のミスや勘違いを認めてしまえば」、私も理詰めで追い詰めたりもしません。
初めに「勘違い」や「ミス」を認めれば、もっとスムースにモノゴトが進むのにそれが出来ないベトナム人(北部)。
自分で損をしている人々が多いのが、見ていて残念です。