ベトナム流の考え方 その2

昨日の続編。

さて、入社早々、短時間勤務となったスタッフ。
私が、短時間勤務の法律を説明しました。

私「ベトナムの法律は理解しましたか?」
ス「はい、理解しました」
私「では本日からあなたは短時間勤務となります」
ス「嫌です。私はフルタイムで働きます
私「なんでですか?」
ス「子供の世話は母がしてくれるので、私はフルタイムで働けます」
私「働けるとか、働けない、ということではなく、あなたは短時間勤務でなくてはなりません。なぜならば、それがベトナムの法律だからです」
ス「嫌です。私はフルタイムで働きます
私「・・・・・・・・・・」
私「・・・・・・・・・・」
私「・・・・・・・・・・」


私「あなたはこのベトナムの法律を理解できていますか?。」
ス「はい、出来ています」
私「では、どういう法律なのか、説明してみてください」
ス「1歳未満の子供がいる母親は、子供の育児のために短時間勤務しなくてはならない、という法律です」
私「ちゃんと理解していますね」
ス「はい」
私「では、今日から短時間勤務です」
ス「嫌です。私はフルタイムで働けます。子供の世話は母がしてくれます」
私「あなたはこのベトナムの法律を本当に理解できていますか?。」
ス「はい、出来ています」
私「・・・・・・・・・・」
私「・・・・・・・・・・」
私「・・・・・・・・・・」


私「あなたはベトナムの法律を正しく理解していることを私も理解しました」
私「では、法律を守りましょう。
ス「なんでですか?。
私「それは、法律だからです」
ス「私は働けるのだから働けます。
私「法律は守らないといけません。企業としても罰せられます」
ス「私には関係ありません
私「法律は守らないといけません。あなたにとっても」
ス「私は働けるのだから働けます。
私「ではあなたは、法律を破るということですか?
ス「違います。私は法律を破るつもりはありません
私「・・・(大混乱しそうになりました)・・・」


私「あなたがフルタイムで働くということは、法律を破ることにはならないですか?」
ス「なりません。私は法律を破ろうということは全く考えていません。
私「ではあなたは短時間勤務ですね」
ス「いやです。私はフルタイムで働きます
私「それは法律違反ですよ」
ス「違います
私「法律は理解していますよね?」
ス「法律は理解したけど、私がやりたいことが優先です。
  私がFull time働けると言っているのに、なぜ、法律を守らないといけないんですか?

その後のこのスタッフの弁をまとめると、
自分の気持ちの中で、法律を破るという意志は一切ない
・自分の欲求(この場合は、フルタイムで働きたい)が、「法律よりも優先順位が高い」

・自分の欲求が法律なんかによって阻害されるのはおかしい。
・なぜ自分の欲求や希望が法律によって阻害されるのかわからない。
・そもそも、自分の欲求のために、なぜ法律を守らないといけないのかわからない
・法律を破るということは、「悪意を持っている場合のみ」のことをいう。
・なので、自分の欲求は法律を破っているわけではないし、その結果、法律を破っていたとしても自分は何も悪くは無い
ということでした。

このスタッフは「純粋な気持ち」で上記のことを言っているのです。

これも一つのベトナム流。

(まだまだ続編に続く)

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